2019年06月29日

NDの運転席まわり


 MTとオープンにつられて購入したNDロードスターの話の続きです。今回はおもに運転席まわりの紹介です。


■ メーター周辺

 車内の詳細を見てきます。まずはメーターまわりを。
 中央の一番大きいのがタコメーター、右にスピードメーターがあります。どちらも実際に針が動くアナログメーターです。タコメーターの左には丸い液晶パネルがあり、燃料、水温、距離、燃費、その他の情報が表示されます。
 今どきの車はさまざまな電子制御機器や安全装備があるため、数多くのワーニングやインジケーターランプがあります。エンジンスイッチをOnにすると各ユニットの自己診断が行われ、問題ない要素は徐々に消灯していきます。


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Off状態


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Onにした直後(エンジン未始動)


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Onで安定した状態(エンジン未始動)


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エンジンがかかっている状態


 液晶パネルは、通常は下が燃料計、上が水温計で中央部に距離計とトリップメーター、外気温、燃費が表示されます。メーター右上のノブを押すと水温計が拡大モードになり常用域を細かく表示することができます。実際に正確に表示しているのかどうかはわかりません。


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水温計拡大モード


 中央部の表示内容はステアリングのINFOスイッチで切り替えることができ、トリップA、トリップB、残り走行可能距離、メンテナンスまでの期間と変わっていきます。


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メンテナンスまでの時間


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走行可能距離


 またドアとトランクが開いている時はその表示に切り替わり、半ドア警告灯の代わりとなります。車線逸脱の警告も画面で表示されます。


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ドア警告表示


 セーフティパッケージ(SSPではオプション、この車両は搭載)ではこの液晶がカラーになります。セーフティパッケージの機能として、カメラで標識を認識し、現在の制限速度、一時停止、はみ出し禁止などが液晶左側に表示されます。速度標識に対し、現在速度が超過していることの警告も可能ですが、デフォルトでOffになっており、当然、Onにする気もありません。
 セーフティ機能の一部は機能をOffにすることができます。具体的には横滑り防止機能、車線逸脱警報、後方の障害物警報などは、運転席右側のスイッチで解除できます。


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セーフティ機能の解除スイッチ


■ ステアリング

 自分が今まで乗ってきた車と比べると、かなり小径のステアリングです。ホイールベースが短く、フロンドに駆動系がないこともありますが、ギヤ比はかなり小さく、くぃっと曲がれます。
 中央のホーンボタンにエアバッグが内蔵されています。ステアリングの中央パッド部全体にエアバッグを収納するのに比べ、格段に小さくなっています。また丸いホーンボタンと一体になったデザインは、往年のスカイラインなどのスポーツモデルのステアリングハブ部を彷彿させるものがあります。1970年代頃にかっこいいとされていたデザインです。


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 ステアリングホイール


 そういえば2018年夏の改良で、ステアリングがチルトだけでなくテレスコも調整可能になりました。これを羨ましがる人もかなりいるようです。


■ トランスミッション

 タコメーターの右下部分にも液晶表示があり、走行中は現在のギヤが表示されます。もともとはATのポジション表示用なのでしょうが、MTでも使用されています。MTでは速度やアクセル開度に応じて(おもに)シフトアップの推奨ギヤが表示されます。見ていると、かなり燃費に振った感じで、定常速度で走行していると、その速度で使用可能なもっとも高いギヤが推奨されるようです。状況によっては2段以上も上のギヤも推奨されます。例えば4速で60km/hで定常走行なら、4→6といった表示になります。またエンジン回転が下がりすぎるとシフトダウンが示されることもあります。
 このギヤインジケーター、走行中しか表示されません。実はミッションには各ギヤポジションを検知するスイッチはなく、あるのはNとRの検出だけです。クラッチをつないで走行している間は、エンジン回転数と車速から現在のギヤがわかりますが、クラッチを切ると(クラッチの検知スイッチもあります)ギヤポジションはわからなくなってしまうのでした。


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 シフトレバー


 また停止時にクラッチを切ってギヤを入れ、ブレーキを離すと、アイドル回転数が1000RPM近くまで自動的に上がり、発車時のエンストの可能性を低くしています。
 シフトは6速で、ニュートラルではレバーは3-4の列にあります。Rは左上で、レバーを左に押して1-2の列にし、さらにノブを押し込んで左上に動かします。
 狭いところの切り返しなどで1速とRをちょこちょこ入れ替えていると、たまに入れ間違えることがあります(笑)。


■ ギヤが渋かった問題

 NDの6速MTはこの車種専用のものです。ショートストローク、直結6速(オーバードライブなしでファイナルのギヤ比が低め)といった特徴があります。昔乗っていた車のトラックのようなMTと比べると、シンクロの能力は格段に高くなっており、シフトダウンも軽く入ります。とは言っても、納車直後は1速、2速、Rの入りが悪く、多少難儀しました。
 1速と2速はトリプルコーンのカーボンシンクロとかいう、容量の大きなシンクロらしいのですが、実際には恐ろしく渋く、ギヤが入れにくかったのです。1速は停止時には問題なくはいるのですが、走り初めて2速にいれるのがかなり固く、冷間時は速度が完全に合っていないと入れられませんでした。そのため、温まるまではダブルクラッチで回転を合わせ、温まった後もシフトダウン時はダブルクラッチが必須でした。1速に至っては、走行中に入れるのはほぼ諦めていました。


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 MTのクラッチ周辺部品

 その後、距離を走ってアタリが付いたのか、軽く入るようになりました。3000kmほど走った時点で2速はシフトダウンも含めて特に問題なし、1速もまぁ実用上問題なしといったところです。1速のシンクロはもともとほとんど使われていないので、今後、さらに改善していくことでしょう。もう少し距離が進み、1速のアタリがついたら、一度ミッションオイルを交換するつもりです。
 1速とRは、停止時にときどき、歯の山が当たった状態でまったく入らないことがあります。これはシンクロの問題ではないので、クラッチを踏み直すしかありません。


■ ペダル

 NDのペダル配置は、一般的な国産車より全体的に右寄りなようです。というか、今どきの国産車、とくに軽やコンパクトカーの多くが、車内を広く取るために前輪のホイールハウスが運転席と助手席の足元に食い込みがちになり、そのため右側運転席の外側に位置するアクセルを左側にオフセットせざるを得ないという面があると思います。
 NDではホイールハウスはかなり前なので食い込みはありません。逆にエンジンをミッドシップとするために、エンジンとミッションが車内に食い込んでおり、運転席の足元は左側の余裕がありません。クラッチペダルの左にフットレストを置くという構造上、クラッチペダルがかなり右にオフセットしている感じです。写真を見るとわかりますが、中央に位置するステアリングシャフトに対し、そのわずか左にクラッチペダルがあります。さらに見ると、クラッチペダルのレバーは、ステアリングシャフトの右側にあり、ペダル部分だけがかろうじてシャフトの左に位置しているという形です。


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 ペダル配置


 普通のMT車だと、ステアリングシャフトの左側にクラッチのレバーやマスターシリンダーが置かれ、クラッチとブレーキはほぼ対称位置になりますが、NDではこのように右にオフセット気味になります。最初はちょっと慣れず、足をフットレストに引っ掛けたりしました。
 ブレーキはバキュームブースター付きの油圧、クラッチはブースターなしの油圧で作動します。アクセルは完全な電子式で、ECUと電気的に繋がっているだけで、スロットルバルブなどを動かすための機械的な仕組みはありません。アクセルペダルの操作量は磁気的なセンサーを使っているようで、摺動接点などはありません。アクセルの接触不良はちょっと怖いものがあるので、この点は好ましいと言えるでしょう。


posted by masa at 15:41| 自動車

2019年06月12日

MT車に乗りたいので。。

■ MT車を運転したい

 あと何年車の運転ができるんだろうと考えたときに、やっぱりMTを運転したいと思ったのです。昔持っていたJeepはなにかと大変でしたが、楽しい車でした。その後のY60サファリもMTでした。Jeepが鉄として朽ち果て、Y60がディーゼル規制で乗れなくなり、後継のY61サファリ(中期)に乗り換えたのですが、国内販売は残念ながらATしかなく、悲しい思いをしたのです。久しく欲しい車がなく、次に車を買うなら4WDの軽トラかなぁなどと思っていたのですが。。。。
 今買える楽しいMT車というと、ひとつ思い浮かぶのは新しいJimnyですが、今使っているサファリとの使い分けが難しいこと、人気に生産が追いつかず、納車がいつになるかわからない状態なので、候補から落ちました。
 というわけで、2018年12月にNDロードスターを購入しました。MTとオープンの爽快感という、かつてのJeepに合い通じる要素が選択の理由です。


■ 購入したモデル

 現行のND5RCマツダロードスター(以後NDと略)は2015年に発表された4代目ロードスターです。発表当初はそんなに気にもしていなかったのですが、いつの間にか気になる車になっていました。
 購入したのは、2018年夏のマイチェンモデルです。この時のマイチェンでは、ハードトップモデルのRFのエンジンの大改良が中心でしたが、他にも安全装備の充実などが行われました。


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  大きなディーラーには納車専用ブースがあるんですね


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  まずはオープンに


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  運転席と助手席しかない。


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  走行距離はごくわずか。ただし燃費は極悪(笑)


 グレードの詳細はマツダのサイトでわかりますが、基本的には次のようになります。

・S
 ベーシックグレード。最軽量。MTのみ、ボディ補強パーツ、リアスタビ、マツコネ省略。

・S Special Package
 ほぼ標準グレード。MT/AT、基本的なボディ補強パーツ。 

・S Leather Package
 豪華な内装、MT/AT、高級オーディオ、安全装備がより充実。

・RS
 全部入り。さらに足回り強化、レカロシート。

・NR-A
 競技用ベースモデル(公道走行可)。ボディ補強、足回り強化。マツコネ省略。


 自分が買ったのは幌モデルのS Special Package(以後SSP)という、標準的なグレードです。とりあえずマツダコネクト(オーディオ、ナビ、情報の統合システム)は落とせない、革シートにこだわりはない、固めるつもりもないとなると、この選択になります。これにさらにセーフティパッケージとシートヒーター/CD/DVD/ワンセグTVを加えました。TV系は不要だったのですが、シートヒーターとセットオプションだったので。。。
 セーフティパッケージは、安全装備がより充実するもので、ハイビームの自動制御がより高度化され、標識を自動認識したり、クルーズコントロールが付いたり、液晶メーターがカラーになったり。
 加えてディーラーオプションでETCとバックカメラを追加しました。


■ もし人に勧めるなら

 自分はSSPグレードを買ったのですが、もし人に勧めるなら断然NR-Aですね。ボディ補強、強化ブレーキ/サスが組込済で、贅沢装備がないので、お手頃価格になっています。ナビをスマホで済ますのであれば、これが一番合理的な選択肢でしょう。


■ サービスマニュアルの入手は基本

 車を入手したら、整備書も入手することにしています。過去に乗っていたJ50系Jeep、Y60サファリ、そして現役のY61サファリとも、整備書を入手しました。
 もちろん、NDも例外ではありません。マツダの場合、サイト内に整備書の提供に触れているページがあり、一般ユーザーでも希望すれば有償で入手できます。購入したディーラーで聞いたところ、オーナーには販売するということでした。

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  マイチェンごとに新版がでます。写真は手違いで届いたNDの第2版。その後第3版に交換。

 かつての整備書は紙に印刷された書籍の形ですが、現在はPC上でブラウザで閲覧する形で、CD-ROMで提供されます。たぶん、ディーラーや整備工場は、マツダのサイトでオンラインで閲覧できるんでしょうね。マツダの場合、これらはMESI(Mazda Electronic Service Information)と呼ばれています。
 入手したCD-ROMには、以下の資料が含まれています。

・新車解説書
 車両各部の構成や構造、特徴を解説したもの。

・車検・点検
 各種の点検項目。

・整備書
 車体、エンジン、AT、MTの整備方法

・ボディ修理
 ボディの修理方法、各部寸法。

・電気配線図
 電装品の回路、配線。

 いくつかのプラグインの都合か、これらはIEで閲覧します。一応プロテクトがかかっていて、基本的にはPCにCDをセットして起動することになっています。ファイル一式をPCにコピーして起動するとCDを入れろと言われますが、まぁこれは簡単に回避できるので、自分はノートPCにファイルをコピーして使っています。

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  データはIEで閲覧します


■ 車載工具

 NDに限らず、現在販売されている車にはほとんど工具が積まれていません。スペアタイヤもなく、代わりにパンク修理キットが含まれています。今回、標準で付属していたのは以下のものです。

・パンク修理キット
 エアコンプレッサー、パンク修理剤、バルブコアなど。

・ねじ込み式の牽引フック
 前用と後用。

・ホイールナットレンチ
 一応ホイールナットを回せますが、スペアタイヤはありません。主な用途は牽引フックのアイ部に差し込み、締めたり緩めたりすることです。

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  前後のフックとそれを回すためのL時レンチ


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  パンク修理キットは修理用の薬剤とエアコンプレッサーのセット


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  コンプレッサーのホースは裏側にうまくはめ込まれてます


 これだけではあんまりなので、以下の工具を常時積載しています。

・ドライバー
 プラスとマイナス。

・コンビレンチ
 車載工具といえばショートスパナですが、まともにボルト/ナットを回そうと思ったらソケットかメガネです。ソケットは費用がかかるので、10/12/14/17のコンビを車載しています。

・プライヤー
 車載工具のお約束。

・エアゲージ
 パンク修理キットのコンプレッサーに圧力計が付いているのですが、ちょっと測るのにこれを引っ張り出すのは面倒なので、小型のものを別途用意しました。

・パンク修理キット
 純正品は液体の修理剤をバルブから流し込むタイプですが、これを使うとタイヤの再利用が困難ということなので、ゴムヒモをねじ込むタイプを積んでいます。まぁ、これでうまく直るかどうかは、やってみないとわかりませんが。

・ジャッキ
 標準でジャッキは搭載していませんが、車両側にはジャッキを収納するスペースが用意されています。ディーラーオプションでジャッキ類があるのですが、かなり割高なので単品で購入しました。ジャッキを収納場所に固定するには、専用のネジが必要です。

・車止
 適当な(年代物の)車止を2個。

・ブースターケーブル
 これもお約束。

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  ふたつめの工具袋はY61サファリのもの


 そういえばもうひとつのお約束のプラグレンチがないですね。長寿命タイプのプラグであることと、DOHCヘッドでプラグはかなり深いところにあるので、脱着にはちゃんとしたプラグ用ソケットとエクステンションが必要なので、車載はしていません。


■ パンタジャッキを用意

 トランクの右側にフタを外せる部分があり、この中がパンタジャッキ収納スペースになっています。内部の台座にジャッキを置き、上側を専用の手回しネジで固定することで、ジャッキをしっかりと固定することができます。ジャッキはKTCの600kgパンタグラフジャッキがちょうど収まります。ネジは純正部品(B001-56-170C)を取り寄せることができます。
 一般的な車載ネジ式ジャッキは、フック軸にL字ホイールナットレンチを組み合わせてハンドルとするものが多いですが、単品で購入したジャッキは鉄の棒を曲げたハンドルが含まれています。これは工具袋には収まらないので、トランクの一番下に置いておきます。

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  ハンドルを赤く塗ったのは、道端などでの視認性向上のため


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  トランクの側面部分にきっちりと収納


■ とりあえずドライブレコーダーを取り付け

 何かとアレなご時世なので、とりあえずドライブレコーダーを取り付けます。
 NDは車高が低く、さらにウィンドウの縦幅が比較的小さく、また自分がシートを起こしめにした姿勢が好きなので、今までの車より上方視界がちょっと悪くなります。なので少しでも視界をかせぐべく、小型のものをミラーの影になるあたりに取り付けます。
 新しい車用にTranscendの物を新規に購入したのですが、これが思いのほか大きく、結局Y61に使っていたちょっと古いユピテルのものを移植することにしました。

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  ほぼミラーの影になるので、視界にはほとんど影響しません


 最初はシガーソケットの電源アダプタを使って仮設配線で使っていたのですが、ちょっとあれなので、電源直結タイプのアダプタを調達し、内装を外して配線を収めました。
 内装の取り外しは当然整備書で調べられますが、この辺のサイトにも詳しい解説があります。

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  仮配線


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  内装を外してちゃんと配線


 ついでに車載のものより容量大きめのUSB電源アダプタも接続しようと思ったのですが、ちょっと問題が起こりました。USB電源アダプタを接続すると、ワンセグTVが受信できなくなるという問題です。今回、電源は車内のヒューズボックスの未使用部分からヒューズタイプの引出線を使って取り出したのですが、アダプタ類を設置した直ぐそばにTVチューナーがあり、どうも電源アダプタのレギュレーターのノイズが影響するようです。TVアンテナはウィンドウスクリーン上のプリントアンテナで、アンテナのすぐそばにプリアンプがあるようで、この信号系まわりか、あるいは電源経由でノイズが回り込むのでしょう。

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  短いオレンジ色がプリントアンテナ


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  ダッシュパネル内のワンセグチューナー


 TVを見ることはまずないのですが、恒久的に見えないというのもなんなので、とりあえずUSB電源アダプタの接続は見送りました。ドラレコ用のアダプタも多少の影響はあるようですが、見えなくなるほどではないのでよしとします。必要な時はシガーソケットに差し込むタイプのものを使います。

posted by masa at 14:56| 自動車