2019年10月27日

NDのエンジンルーム

 15年ぶりの新車です。汚れたりくたびれたりする前に、各部の状態を記録に残しておきます。特になかなか見られない足回り、汚れやすいエンジンルームなどを中心に写真を撮りました。今回はエンジンルームの写真です。写真の大半は納車から3ヶ月めないし半年程度の状態です。


■ エンジンルーム

 NDは今の車によくある、樹脂製のエンジン全体を覆うようなカバーがありません。安い車はカバーレスがそこそこあるようですが、NDの場合はコストダウンのためではありません。カバーがないので昔の車のように、見た目を考えてデザインされたカムカバーが見えます。NDにとって、エンジンルーム内は鑑賞対象ということなのでしょう。

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エンジンルームを横から見たところ。ガススプリングではなくステーで支える構造。


 エンジンルームは決して広くはありませんが、1.5Lエンジンを中心にすっきりとまとめられています。補機だらけで手を入れる隙間もないといったエンジンルームではありません。RFだとこれが2Lエンジンになるわけですが、エンジンの全長が伸びる分くらいの隙間は十分にあります。


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前からみたところ。エンジンはかなり後ろにあり、フロントミッドシップになっている。


 タイヤハウス上部には、前輪用のスプリングの取付部があります。スプリングはコイルとショックアブソーバーが一体化したものです。フロントサスはダブルウィッシュボーンなので、スプリングとショック自体にはホイールの位置決め機能はなく、純粋に緩衝と減衰が仕事です。グレードによっては、あるいはディーラーオプションや後付パーツとして、このスプリング取付部とバルクヘッドを結合し、補強するタワーバーがありますが、この車両には装備されていません。


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ウォッシャータンク

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ラジエーターの上にリザーバータンクとエアクリーナーボックス

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エアクリーナーからスロットルバルブ、インテークマニホールド


 車の前側から見ると、向かって左側手前にウォッシャータンク、中央部にはフロントカウルに隠れるようにラジエーター(エアコン用含む)があり、その背後に電動ファンがあります。その上にラジエーターのリザーバータンクがあり、その後ろ側がエアクリーナーボックスになっています。そのため、ラジエーターや電動ファンは上からはほとんど見えません。ラジエーターの放熱は自然通風と電動ファンのみで、エンジンで駆動されるファンはありません。
 エアクリーナーボックスは、ダクトを介してフロントカウル内部から吸気します。エアクリーナーボックスからはエンジンに向かって右側にあるインテーク側に繋がりますが、ディーラーオプションでこの部分の吸気音を車内に伝えるというインダクションサウンドエンハンサーという部品を取り付けることができます。ここに示した写真にはこのオプションはありません。


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バッテリー

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手前(車両前部)からヒューズボックス、ECU、ブレーキ制御ユニット。

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ヒューズボックスの内部。RFでは空いている部分に電動ルーフ用のヒューズやリレーが収まる

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ヒューズボックスのカバーの裏側にはスペアヒューズと取り外し用のクリップ

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ECU

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ABSや横滑り防止のためのブレーキ制御ユニット


 向かって右側のエンジンより前の部分にバッテリーとメインヒューズボックスがあり、その少し後ろ、フロント左のサスペンションマウント部にエンジン制御コンピュータ(ECU)があります。その後ろにはABSその他でブレーキを制御するためのポンプ/バルブユニットがあります。


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クランクプーリー(中央下)とアイドラプーリー、コンプレッサープーリー、オルタネータープーリー

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ウォーターポンプ


 エンジンに取り付けられている補機は、ウォーターポンプ、オルタネーター、エアコンコンプレッサーのみです。オルタネーターとエアコンコンプレッサーは1本のベルトでクランクプーリーから駆動されます。ベルトの途中にはテンション調整用プーリーがあり、エンジンオイルの油圧によりちょうどいいベルト張力になるように調整されます。パワステは電動なので、パワステポンプはありません。
 ウォーターポンプは専用ベルトでクランクプーリーから駆動されます。ウォーターポンプにファンは付いておらず、そのためかエンジン前面の中心部ではなく、側面に配置されており、エンジン全長を短くするのに役立っています。駆動するリブベルトにテンション調整用の機構はなく、ベルト自体が多少の伸縮性を持っているようです。


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バキュームブースター、ブレーキマスターシリンダー、リザーバータンクがあり、その手前側にクラッチマスターシリンダー


 運転席の前の位置には、ブレーキとクラッチのマスターシリンダーがあります。これらのフルードは共通のリザーバータンクから供給されます。ブレーキマスターシリンダー上にリザーバーがあり、そこからクラッチマスターシリンダーに配管が伸びています。
 ブレーキにはバキュームブースターがあり、踏力を軽くしています。バキューム源はエンジンのインマニだけでなく、別途用意された電動バキュームポンプも使われます。このポンプのためのコントローラーが、ECUと対称になる位置、右側のスプリングのアッパーマウント部に取り付けられています。バキュームポンプそのものはフロントカウル内部に位置するようで、エンジンルーム側からは見えません。


■ アクティブボンネット

 アクティブボンネットは、衝突時に歩行者がボンネットに叩きつけられた時、内部のエンジンなどに直接頭をぶつけないように、衝撃検出時にボンネットを持ち上げる機構です。


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ボンネットを持ち上げるアクチュエーター

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ボンネット後端を持ち上げるためのリンクが組み込まれている


 ボンネットの持ち上げ動作は、ヒンジの前にある、火薬で飛び出すロッドにより行われます。バンパー内側のセンサーが衝撃を検知すると、エアバッグやシートベルトの巻取りなどと同じような形でガスが膨張し、ロッドが飛び出し、ボンネットを持ち上げます。ボンネット後端にあるヒンジは、通常の開閉のためのための支点とは別に、力がかかったときに動くリンクがあり、ボンネット後端が持ち上がります。
 アクティブボンネットの動作はある程度破壊的なものであり、これが作動するとピストン類は交換になります。ボンネットやヒンジは、見たところ元の状態に戻せそうな感じですが、実際には交換されるようです。ネコをはねて動作したという事例もあるようなので、要注意です。


■ エンジン本体

 使用しているのはSKYACTIVE-G 1.5という1.5L直列4気筒直噴ガソリンエンジンで、形式はP5-VP(マイルドハイブリッドなしのMT用)になります。
 エンジンの仕様は以下の通りです。これは2018年夏のマイナーチェンジ後のものです。

・DOHC 16バルブ 直噴ガソリンエンジン(ハイオク仕様)
・ボア74.5mm×ストローク85.8mm、排気量1496cc
・96kW(131PS) 7000 RPM
・150Nm(15.3kgfm) 4800 RPM
・鍛造クランクシャフト/軽量フライホイール
 吸気側は電動可変バルブタイミング、排気側は油圧可変バルブタイミング


■ 吸気系

 エアクリーナーを通った吸気は電子制御スロットルバルブ、樹脂製のインテークマニホールドを経てシリンダヘッドに至ります。ガソリンは筒内噴射なので、インジェクタはシリンダヘッドに取り付けられています。この部分は樹脂製のカバーに隠れています。
 このカバーはゴムブッシュ状の部品でエンジンに取り付けられているので、上に持ち上げればはずれます。


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スロットルバルブ

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インテーク部のカバー

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カバーを外したところ。インジェクターはこの下にある。


■ 点火系

 点火プラグはシリンダ頂部にあります。4個の各プラグごとに点火コイルを持つタイプです。カバー類がないので、メンテ性は良好です。


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プラグごとの点火コイル。プラグはかなり深いところにある。


■ 排気系

 P5-VPでは、排気管に4-2-1集合管を使っています。いわゆるタコ足というやつで、それぞれのシリンダーからの排気がほかのシリンダーの排気に悪影響を与えないように、ある程度距離をおいて排気が合流するようになっています。このとき、各排気系の長さを調整するために、排気管をクネクネと曲げているため、タコ足と呼ばれます。
 カスタムパーツに取り替えるような場合は、きれいにメッキされたタコ足を見せるような取り付けになりますが、これは市販車なので、タコ足部分は遮熱板でカバーされており、くねくね部分は見えません。またパイプも普通の金属地肌なので、見た目の派手さは期待できません。


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排気管の遮熱板。

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4-2-1排気管


 この集合管の後に触媒があり、さらに車両中央部のプリマフラーを経由し、トランク下のメインマフラーに至ります。排気口はメインマフラーから直接出ています。

posted by masa at 11:51| 自動車