2019年07月28日

NDロードスターのソフトトップの構造

 NDロードスターのソフトトップの構造について見ていきます。

■ ソフトトップ

 (少なくとも自分にとっては)NDの最大の特徴はソフトトップ、つまり幌車であるということです。
 NDでは以前のモデルに比べ、幌の開閉が格段に容易になりました(らしいです。自分ではNC以前の幌に触ったことがないので)。ロックはセンターに1ヶ所のみ。幌側にロック付きのレバーがあり、それを起こせばフックが外れます。そのままルーフ部を後ろ側に動かし、シート後部の空間に収め、上から押せばロックされます。収納時はルーフ上面がそのまま上に来て、幌骨などはすべて幌の内部に隠れるので、トノカバーで覆うことなく、きれいに収納されます。


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レバーの裏側にロック用のフックがある。


 閉じる時は左右のシートの間にあるリリースレバーを操作すると、畳まれていた幌が15cmほど持ち上がります。それをそのまま引き起こし、ロック用のフックを引っ掛けてロックレバーを戻すだけです。電動開閉などのギミックはありませんが、開閉とも5秒程度で行えるので、はっきりいって電動より便利です。

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 NDロードスターというと、ハードトップのRFの電動開閉ギミックがよく話題に登りますが、手動開閉のソフトトップも十分に興味深い構造になっています。幌についてのマツダの技術解説としては、こんなのがあります。


■ 幌骨

 幌はいくつかの幌骨、ルーフパネル、リンクなどで支えられています。構成する部品はおおよそ以下のものです。なお、各部品の名称は、ルーフパネルとメインリンク以外はここで勝手につけたものです。パーツリストでも見れば正式名称がわかるかもしれませんが。。

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閉じた状態でのリンク類のおおよその配置


・ルーフパネル(屋根前半分) −−図の灰色の部分
 屋根の前半分の部分には、幌生地の下にアルミ材のフレームと板状の屋根材が入っています。前縁フレームの中央にロック機構、両側に位置合わせのための突起があります。ドアガラスの上部前半分はこのルーフパネルの側縁部に接触する形になります。前縁部の水密のためのウェザーストリップは、フロントウィンドウフレーム側に取り付けられています。

・メインリンク(ルーフパネル用幌骨) −−図の緑の部分
 横から見てルーフパネルの中央部付近に、大きく曲がった太い幌骨であるメインリンクが繋がっています。これはドア枠の一部、Bピラー相当の部材となります。そのためメインリンクのドアガラスと接触する部分、つまりドアガラス上側の後ろ側半分と後縁に接触する部分には、水密のためのストリップが取り付けられています。
 メインリンクは左右で独立しています。メインリンクの上端はルーフパネルに、下端はボディ側に、どちらも回転するピンで取り付けられています。メインリンクのボディ側支点にはスプリングが組み込まれていて、重量のバランスを取っています。畳んだ状態でロックを解除すると、このスプリングの働きで幌がちょっと持ち上がり、シートからウインドデフレクター越しに手をかけることができ、閉じるのが容易になっています。


・角度調整リンク(ルーフパネルの角度拘束用) −−図の赤い棒
 正式な名称はわからないので、ここでは角度調整リンクと呼ぶことにします。
 ルーフパネルはメインリンクとピンで接続されていますが、これだけではメインリンクに対してぶらぶらと動いてしまいます。そこでルーフパネルの動きを規制するために、メインリンクとは別に、もう1本のパイプ状のリンク部品でボディ側とルーフパネルをつないでいます。これも左右に2セットあります。上端のピンの位置はルーフパネルの後ろ側です。ボディ側はちょっと複雑になっていて、これについては後で説明します。
 メインリンクの動きとこの調整用リンクの働きにより、ルーフパネルを後ろに畳んでいくと、ルーフパネルは最初の水平状態から前縁を持ち上げた状態になり、さらに畳んでいき、収納部にロックする際には再び水平になります。

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左側がルーフパネル、中央のピンでメインリンクがつながっている。手前側の右に伸びている棒が角度調整リンク

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リンク部分のアップ


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リンク部分の構造図


・幌骨A(ルーフ後端) −−図の黄色い棒
 ルーフパネルより後ろの屋根は幌生地のみとなります。屋根が水平から後ろに傾き始める位置に、パイプを曲げた構造の幌骨A(これもここでの呼び方)があります。この幌骨Aは下側がピンで回転するようになっていて、上側は幌生地の内側(幌の側面上部)に固定されています。幌骨Aはメインリンクと連動して後ろに倒れる構造になっています。


・幌骨B(リアウィンドウ上部) −−図のオレンジ色の棒
 屋根後端の幌骨Aから後ろに下がり、リアウィンドウのとの中間あたりに、もう1本の幌骨Bがあります。この幌骨Bも左右がつながったパイプ構造で、上側は幌生地に取り付けられています。下側の支点のピンはボディではなく、幌骨Aの途中に位置します。また幌骨Bとルーフパネルは幅広のベルト(シートベルトと同等のもの)で繋がれています。これは幌を閉じた状態で位置を正しく定め、幌生地をきちんと張るためのものです。

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メインリンクの後ろ側に幌骨Aがあり、その途中に幌骨Bが取り付けられている。


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幌骨Aはメインリンクに連動して倒れ、幌骨Bは成り行きで倒れていく。


・連動リンク −−図の濃い灰色の棒
 メインリンクと幌骨Aの動きは連動しています。これはメインリンク、幌骨Aのそれぞれの支点からちょっと離れた位置で、連動リンクによって繋がれているためです。これによりメインリンクが後ろに倒れていくと、連動して幌骨Aも倒れていきます。
 連動リンクの中間位置あたりに、角度調整リンクの支点があります。つまり角度調整リンクの支点位置は固定ではなく、メインリンクと幌骨Aの位置に応じて移動していくことになります。

・リアウィンドウ
 リアウィンドウはガラス製で、熱線ヒーターも内蔵されています。このウィンドウは幌生地に取り付けられていて、幌を畳んでいくと、収納部の底の位置に沈んでいきます。ガラス製ウィンドウのありがたさは、ビニールウィンドウの幌車に乗ったことのある人しかわからないでしょう。

・幌
 屋根の前半分は内部に金属製のルーフパネルが入っていますが、そこより後ろと側面は幌生地だけです。上位グレードでは防音などのための内張りがあるらしいですが、S、SSPグレードにはありません。
 幌の裾の部分は、ボディの幌収納部の内側に取り付けられています。ボディと当たる部分にはゴム部品があり、水が侵入しにくい(しないわけではない)構造になっています。

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幌とボディの当たる位置はゴムのストリップが取り付けられている。


■ 幌の畳み込み

 幌を開いて畳むと、シート後ろの収納部に、下からリアウィンドウガラス、ウィンドウガラスとルーフパネルの間の幌生地、ルーフパネルという順に畳み込まれます。左横から見ると幌生地はZ字上に畳まれます。
 幌の開閉の際のリンクの位置や動きを見てみます。興味深いのは、ルーフパネルの角度調整リンクのボディ側支点、幌骨Aの動きの連携です。メインリンクと幌骨Bは、それぞれのボディ側支点の近くで連動リンクでつながっています。つまりメインリンクを畳む方向に動かすと、幌骨Aも連動して収納部側に畳み込まれていきます。また調整リンクのボディ側支点は、この連動リンク上に位置します。つまりメインリンクの位置に応じて調整リンクの支点位置が変化し、そしてルーフパネルの角度は、メインリンクの角度とそれによって決まる調整リンクの支点位置で決まるということです。
 幌の開閉時のそれぞれの状態を見てみます。

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閉じている状態。

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ロックを外して後ろに動かすと、ルーフパネル前縁が持ち上がる。

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さらに動かすと、リアウィンドウが収納されていく。

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ルーフパネルが水平に戻り、すべて収納される。


・閉じた状態
 幌を閉じてロックされた状態では、ルーフパネルがフロントウィンドウフレームに結合し、ほぼ水平な状態です。メインリンクはドアウィンドウ上縁部に接する部分がルーフパネルと滑らかにつながる角度になり、ルーフパネルとメインリンクでドアガラスが接触するボディ側フレームを構成します。角度調整リンクは、ルーフパネルが正しく水平になる位置にあります。
 幌骨Aはメインリンクと繋がっており、また幌内部にも固定されているので、屋根の後縁を形作るちょうどいい位置にあります。幌骨Bは連動機構はありませんが、幌内側に固定されており、またルーフパネル側にベルトで引っ張られているので、幌とベルトがピンっと張る位置にきます。これにより、幌骨AとBで幌の後ろ側部分は正しい形になります。

・開きはじめ
 ロックを外してルーフパネルを後ろ側に動かすと、それに押されてメインリンクが後ろに倒れていきます。ルーフパネルの角度は、メインリンクの角度、調整リンクの支点位置によって決まりますが、閉じていく過程では、ルーフパネルは徐々に前縁が持ち上がっていきます。

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畳み始めは、リアウィンドウ側がたるみ、ルーフパネル前縁が持ち上がる。

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この状態でのルーフパネル、メインリンク、角度調整リンクの状態。たるんだベルトは、ルーフパネルと幌骨Bをつないでいる。

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リンク類の支点部分はカバーの内部に隠れている。

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かなり収納された。メインリンクの中間部も幌生地に固定された場所がある。

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前のほうから見たところ。中央部分に固定用フックが見える。

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リンク類はすべて内部に収まる。


・リアウィンドウの収納
 メインリンクが後ろに倒れると、連動して幌骨Aとそれにつながっている幌骨Bも後ろに倒れます。幌骨Bのベルトも緩み、後ろ側の幌生地全体がたるみます。するとリアウィンドウ下側の幌生地が緩んで下にさがり、幌骨Bによってウィンドウが斜め後ろ方向に押し込まれます。そして最終的に、幌収納部の最下部にほぼ水平に畳み込まれます。

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リアウィンドウが内部に落ち込む。


・幌生地の畳み込み
 幌骨Bは幌骨Aの途中の部分にピンで止められているので、リアウィンドウが十分に下に下がり、幌骨Bも収納部の底に近づくと、もうそれ以上は下がらず、以後、幌骨Aだけが収納部に倒れ込んでいきます。結果として幌骨A、Bは、ほぼくっついた状態で収納位置に収まります。どちらの幌骨も幌生地の内側に固定されているので、屋根後半部からリアウィンドウ上縁部までの幌生地は、幌骨の位置に応じてリアウィンドウ上部に畳み込まれます。


・収納してロック
ルーフパネルを後ろに下げ、メインリンクの大半が収納部に収まるくらいになると、調整リンクの支点位置の関係から、ルーフパネルは水平に近づきます。この状態でルーフパネルの前縁を押さえると、収納部に水平に収まり、ロックがかかります。この状態では、リアウィンドウ、後ろ半分の幌生地、ルーフパネルという形で重なっています。

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すべて収納された。


 幌を閉じる動作はこの逆になります。シートの間のロックレバーを操作するとロックがはずれ、スプリングの力でルーフ前縁が15cmほど持ち上がります。このスプリングも工夫されています。スプリングはメインリンクを起こす方法に働き、ルーフ収納時の幌の重量を支えること、そして収納状態から閉じ操作を始める時にポップアップさせる力を発生させます。この力をバランスよく生み出すために、単にメインリンクのピンのまわりにねじりスプリングを収めるのではなく、ピンから離れた位置にスプリングを配置し、そこからスプリングのねじれの力をリンク機構でメインリンクに伝えています。これにより、メインリンクの角度に応じて、スプリングのアシスト力がちょうどよく変化するようになっています。

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アシストスプリング


■ウェザーストリップ

 幌の畳み込みのために、幌とドアガラス、ボディが当たる部分のゴム製のウェザーストリップはいくつかに分割されています。合わせ目の部分は薄いゴムシートが重なるなどして、水が滲みないようになっているのですが、これらのゴムが経年劣化で固くなると水密が低下し、雨漏りなどの原因になるのではないかと思います。まぁ幌は基本的に消耗品なので、ある程度の年数が経過したら、交換することになるでしょう。

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フロントウィンドウフレームと幌の合わせ目

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ルーフパネルとメインリンクのつながる部分のウェザーストリップ

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ボディとメインリンクの合わせ目のウェザーストリップ

 NDの幌のウェザーストリップとドアのガラスの合わせ目はちょっと工夫されていて、ウェザーストリップ側の溝にガラスがはまり込むようになっています。単にゴムとガラスが当たるだけという構造に比べ、格段に水密性が向上していると思われます。この構造を実現するために、ドア開閉時にパワーウィンドウでガラスが自動的に上下するようになっています。
 窓がしまっている状態でドアノブを引くと、ドアが開く直前にガラスが1cmほど下がり、溝との噛合がはずれます。そしてドアを閉めると、その直後にガラスが上昇し、溝にはまります。つまりドア開閉ごとにパワーウィンドウがちょこっと上下するのです。
 耐久性に不安を感じる構造ですが、現行モデルの発売から4年で、特に問題になっていないようなので、大丈夫なのでしょう。しかし長く乗っていると、問題になりそうな気はします。
 ガラスは、幌の開閉時にも自動的に下がります。窓ガラスと幌が閉じている状態でロックレバーを解除すると、ガラスが10cmほど下がり、幌のウェザーストリップから離れます。また幌を畳み、ガラスが一番上まで上がっている時に、幌を閉じる操作を始めると、やはり途中でガラスが10cmほど下がります。幌の開閉に伴う動作はガラスの下降だけで、元の位置に自動的に上昇するという機能はないようです。
 幌生地のボディ側への固定は、ボディの内側部分で行われます。そしてボディ表面で幌に接する部分はゴムのストリップになっていて、内部に水が浸入しないようになっています。しかしこの部分はそんなに強力な防水構造にはなっておらず、多少の水は内部に漏れます。漏れた水は幌布の縁の部分を通って流れ、ドア開口部付近に達します。ここには床下に続く排水管があり、水は下に流れます。排水口部分にはトラップがあり、葉っぱなどの固形物で管が詰まらないようになっています。
 このトラップ部は定期的に掃除しなければいけません。説明書によると年に1回程度となっています。幌を閉めた状態でシートの後ろに手を入れ、手探りで外さなければならないので、結構大変です。トラップ部は、プラスチックの目の荒いメッシュと、その上のスポンジ状のフィルターから構成されています。

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トラップ部品


posted by masa at 14:11| 自動車

2019年06月29日

NDの運転席まわり


 MTとオープンにつられて購入したNDロードスターの話の続きです。今回はおもに運転席まわりの紹介です。


■ メーター周辺

 車内の詳細を見てきます。まずはメーターまわりを。
 中央の一番大きいのがタコメーター、右にスピードメーターがあります。どちらも実際に針が動くアナログメーターです。タコメーターの左には丸い液晶パネルがあり、燃料、水温、距離、燃費、その他の情報が表示されます。
 今どきの車はさまざまな電子制御機器や安全装備があるため、数多くのワーニングやインジケーターランプがあります。エンジンスイッチをOnにすると各ユニットの自己診断が行われ、問題ない要素は徐々に消灯していきます。


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Off状態


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Onにした直後(エンジン未始動)


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Onで安定した状態(エンジン未始動)


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エンジンがかかっている状態


 液晶パネルは、通常は下が燃料計、上が水温計で中央部に距離計とトリップメーター、外気温、燃費が表示されます。メーター右上のノブを押すと水温計が拡大モードになり常用域を細かく表示することができます。実際に正確に表示しているのかどうかはわかりません。


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水温計拡大モード


 中央部の表示内容はステアリングのINFOスイッチで切り替えることができ、トリップA、トリップB、残り走行可能距離、メンテナンスまでの期間と変わっていきます。


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メンテナンスまでの時間


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走行可能距離


 またドアとトランクが開いている時はその表示に切り替わり、半ドア警告灯の代わりとなります。車線逸脱の警告も画面で表示されます。


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ドア警告表示


 セーフティパッケージ(SSPではオプション、この車両は搭載)ではこの液晶がカラーになります。セーフティパッケージの機能として、カメラで標識を認識し、現在の制限速度、一時停止、はみ出し禁止などが液晶左側に表示されます。速度標識に対し、現在速度が超過していることの警告も可能ですが、デフォルトでOffになっており、当然、Onにする気もありません。
 セーフティ機能の一部は機能をOffにすることができます。具体的には横滑り防止機能、車線逸脱警報、後方の障害物警報などは、運転席右側のスイッチで解除できます。


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セーフティ機能の解除スイッチ


■ ステアリング

 自分が今まで乗ってきた車と比べると、かなり小径のステアリングです。ホイールベースが短く、フロンドに駆動系がないこともありますが、ギヤ比はかなり小さく、くぃっと曲がれます。
 中央のホーンボタンにエアバッグが内蔵されています。ステアリングの中央パッド部全体にエアバッグを収納するのに比べ、格段に小さくなっています。また丸いホーンボタンと一体になったデザインは、往年のスカイラインなどのスポーツモデルのステアリングハブ部を彷彿させるものがあります。1970年代頃にかっこいいとされていたデザインです。


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 ステアリングホイール


 そういえば2018年夏の改良で、ステアリングがチルトだけでなくテレスコも調整可能になりました。これを羨ましがる人もかなりいるようです。


■ トランスミッション

 タコメーターの右下部分にも液晶表示があり、走行中は現在のギヤが表示されます。もともとはATのポジション表示用なのでしょうが、MTでも使用されています。MTでは速度やアクセル開度に応じて(おもに)シフトアップの推奨ギヤが表示されます。見ていると、かなり燃費に振った感じで、定常速度で走行していると、その速度で使用可能なもっとも高いギヤが推奨されるようです。状況によっては2段以上も上のギヤも推奨されます。例えば4速で60km/hで定常走行なら、4→6といった表示になります。またエンジン回転が下がりすぎるとシフトダウンが示されることもあります。
 このギヤインジケーター、走行中しか表示されません。実はミッションには各ギヤポジションを検知するスイッチはなく、あるのはNとRの検出だけです。クラッチをつないで走行している間は、エンジン回転数と車速から現在のギヤがわかりますが、クラッチを切ると(クラッチの検知スイッチもあります)ギヤポジションはわからなくなってしまうのでした。


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 シフトレバー


 また停止時にクラッチを切ってギヤを入れ、ブレーキを離すと、アイドル回転数が1000RPM近くまで自動的に上がり、発車時のエンストの可能性を低くしています。
 シフトは6速で、ニュートラルではレバーは3-4の列にあります。Rは左上で、レバーを左に押して1-2の列にし、さらにノブを押し込んで左上に動かします。
 狭いところの切り返しなどで1速とRをちょこちょこ入れ替えていると、たまに入れ間違えることがあります(笑)。


■ ギヤが渋かった問題

 NDの6速MTはこの車種専用のものです。ショートストローク、直結6速(オーバードライブなしでファイナルのギヤ比が低め)といった特徴があります。昔乗っていた車のトラックのようなMTと比べると、シンクロの能力は格段に高くなっており、シフトダウンも軽く入ります。とは言っても、納車直後は1速、2速、Rの入りが悪く、多少難儀しました。
 1速と2速はトリプルコーンのカーボンシンクロとかいう、容量の大きなシンクロらしいのですが、実際には恐ろしく渋く、ギヤが入れにくかったのです。1速は停止時には問題なくはいるのですが、走り初めて2速にいれるのがかなり固く、冷間時は速度が完全に合っていないと入れられませんでした。そのため、温まるまではダブルクラッチで回転を合わせ、温まった後もシフトダウン時はダブルクラッチが必須でした。1速に至っては、走行中に入れるのはほぼ諦めていました。


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 MTのクラッチ周辺部品

 その後、距離を走ってアタリが付いたのか、軽く入るようになりました。3000kmほど走った時点で2速はシフトダウンも含めて特に問題なし、1速もまぁ実用上問題なしといったところです。1速のシンクロはもともとほとんど使われていないので、今後、さらに改善していくことでしょう。もう少し距離が進み、1速のアタリがついたら、一度ミッションオイルを交換するつもりです。
 1速とRは、停止時にときどき、歯の山が当たった状態でまったく入らないことがあります。これはシンクロの問題ではないので、クラッチを踏み直すしかありません。


■ ペダル

 NDのペダル配置は、一般的な国産車より全体的に右寄りなようです。というか、今どきの国産車、とくに軽やコンパクトカーの多くが、車内を広く取るために前輪のホイールハウスが運転席と助手席の足元に食い込みがちになり、そのため右側運転席の外側に位置するアクセルを左側にオフセットせざるを得ないという面があると思います。
 NDではホイールハウスはかなり前なので食い込みはありません。逆にエンジンをミッドシップとするために、エンジンとミッションが車内に食い込んでおり、運転席の足元は左側の余裕がありません。クラッチペダルの左にフットレストを置くという構造上、クラッチペダルがかなり右にオフセットしている感じです。写真を見るとわかりますが、中央に位置するステアリングシャフトに対し、そのわずか左にクラッチペダルがあります。さらに見ると、クラッチペダルのレバーは、ステアリングシャフトの右側にあり、ペダル部分だけがかろうじてシャフトの左に位置しているという形です。


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 ペダル配置


 普通のMT車だと、ステアリングシャフトの左側にクラッチのレバーやマスターシリンダーが置かれ、クラッチとブレーキはほぼ対称位置になりますが、NDではこのように右にオフセット気味になります。最初はちょっと慣れず、足をフットレストに引っ掛けたりしました。
 ブレーキはバキュームブースター付きの油圧、クラッチはブースターなしの油圧で作動します。アクセルは完全な電子式で、ECUと電気的に繋がっているだけで、スロットルバルブなどを動かすための機械的な仕組みはありません。アクセルペダルの操作量は磁気的なセンサーを使っているようで、摺動接点などはありません。アクセルの接触不良はちょっと怖いものがあるので、この点は好ましいと言えるでしょう。


posted by masa at 15:41| 自動車

2019年06月12日

MT車に乗りたいので。。

■ MT車を運転したい

 あと何年車の運転ができるんだろうと考えたときに、やっぱりMTを運転したいと思ったのです。昔持っていたJeepはなにかと大変でしたが、楽しい車でした。その後のY60サファリもMTでした。Jeepが鉄として朽ち果て、Y60がディーゼル規制で乗れなくなり、後継のY61サファリ(中期)に乗り換えたのですが、国内販売は残念ながらATしかなく、悲しい思いをしたのです。久しく欲しい車がなく、次に車を買うなら4WDの軽トラかなぁなどと思っていたのですが。。。。
 今買える楽しいMT車というと、ひとつ思い浮かぶのは新しいJimnyですが、今使っているサファリとの使い分けが難しいこと、人気に生産が追いつかず、納車がいつになるかわからない状態なので、候補から落ちました。
 というわけで、2018年12月にNDロードスターを購入しました。MTとオープンの爽快感という、かつてのJeepに合い通じる要素が選択の理由です。


■ 購入したモデル

 現行のND5RCマツダロードスター(以後NDと略)は2015年に発表された4代目ロードスターです。発表当初はそんなに気にもしていなかったのですが、いつの間にか気になる車になっていました。
 購入したのは、2018年夏のマイチェンモデルです。この時のマイチェンでは、ハードトップモデルのRFのエンジンの大改良が中心でしたが、他にも安全装備の充実などが行われました。


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  大きなディーラーには納車専用ブースがあるんですね


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  まずはオープンに


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  運転席と助手席しかない。


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  走行距離はごくわずか。ただし燃費は極悪(笑)


 グレードの詳細はマツダのサイトでわかりますが、基本的には次のようになります。

・S
 ベーシックグレード。最軽量。MTのみ、ボディ補強パーツ、リアスタビ、マツコネ省略。

・S Special Package
 ほぼ標準グレード。MT/AT、基本的なボディ補強パーツ。 

・S Leather Package
 豪華な内装、MT/AT、高級オーディオ、安全装備がより充実。

・RS
 全部入り。さらに足回り強化、レカロシート。

・NR-A
 競技用ベースモデル(公道走行可)。ボディ補強、足回り強化。マツコネ省略。


 自分が買ったのは幌モデルのS Special Package(以後SSP)という、標準的なグレードです。とりあえずマツダコネクト(オーディオ、ナビ、情報の統合システム)は落とせない、革シートにこだわりはない、固めるつもりもないとなると、この選択になります。これにさらにセーフティパッケージとシートヒーター/CD/DVD/ワンセグTVを加えました。TV系は不要だったのですが、シートヒーターとセットオプションだったので。。。
 セーフティパッケージは、安全装備がより充実するもので、ハイビームの自動制御がより高度化され、標識を自動認識したり、クルーズコントロールが付いたり、液晶メーターがカラーになったり。
 加えてディーラーオプションでETCとバックカメラを追加しました。


■ もし人に勧めるなら

 自分はSSPグレードを買ったのですが、もし人に勧めるなら断然NR-Aですね。ボディ補強、強化ブレーキ/サスが組込済で、贅沢装備がないので、お手頃価格になっています。ナビをスマホで済ますのであれば、これが一番合理的な選択肢でしょう。


■ サービスマニュアルの入手は基本

 車を入手したら、整備書も入手することにしています。過去に乗っていたJ50系Jeep、Y60サファリ、そして現役のY61サファリとも、整備書を入手しました。
 もちろん、NDも例外ではありません。マツダの場合、サイト内に整備書の提供に触れているページがあり、一般ユーザーでも希望すれば有償で入手できます。購入したディーラーで聞いたところ、オーナーには販売するということでした。

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  マイチェンごとに新版がでます。写真は手違いで届いたNDの第2版。その後第3版に交換。

 かつての整備書は紙に印刷された書籍の形ですが、現在はPC上でブラウザで閲覧する形で、CD-ROMで提供されます。たぶん、ディーラーや整備工場は、マツダのサイトでオンラインで閲覧できるんでしょうね。マツダの場合、これらはMESI(Mazda Electronic Service Information)と呼ばれています。
 入手したCD-ROMには、以下の資料が含まれています。

・新車解説書
 車両各部の構成や構造、特徴を解説したもの。

・車検・点検
 各種の点検項目。

・整備書
 車体、エンジン、AT、MTの整備方法

・ボディ修理
 ボディの修理方法、各部寸法。

・電気配線図
 電装品の回路、配線。

 いくつかのプラグインの都合か、これらはIEで閲覧します。一応プロテクトがかかっていて、基本的にはPCにCDをセットして起動することになっています。ファイル一式をPCにコピーして起動するとCDを入れろと言われますが、まぁこれは簡単に回避できるので、自分はノートPCにファイルをコピーして使っています。

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  データはIEで閲覧します


■ 車載工具

 NDに限らず、現在販売されている車にはほとんど工具が積まれていません。スペアタイヤもなく、代わりにパンク修理キットが含まれています。今回、標準で付属していたのは以下のものです。

・パンク修理キット
 エアコンプレッサー、パンク修理剤、バルブコアなど。

・ねじ込み式の牽引フック
 前用と後用。

・ホイールナットレンチ
 一応ホイールナットを回せますが、スペアタイヤはありません。主な用途は牽引フックのアイ部に差し込み、締めたり緩めたりすることです。

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  前後のフックとそれを回すためのL時レンチ


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  パンク修理キットは修理用の薬剤とエアコンプレッサーのセット


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  コンプレッサーのホースは裏側にうまくはめ込まれてます


 これだけではあんまりなので、以下の工具を常時積載しています。

・ドライバー
 プラスとマイナス。

・コンビレンチ
 車載工具といえばショートスパナですが、まともにボルト/ナットを回そうと思ったらソケットかメガネです。ソケットは費用がかかるので、10/12/14/17のコンビを車載しています。

・プライヤー
 車載工具のお約束。

・エアゲージ
 パンク修理キットのコンプレッサーに圧力計が付いているのですが、ちょっと測るのにこれを引っ張り出すのは面倒なので、小型のものを別途用意しました。

・パンク修理キット
 純正品は液体の修理剤をバルブから流し込むタイプですが、これを使うとタイヤの再利用が困難ということなので、ゴムヒモをねじ込むタイプを積んでいます。まぁ、これでうまく直るかどうかは、やってみないとわかりませんが。

・ジャッキ
 標準でジャッキは搭載していませんが、車両側にはジャッキを収納するスペースが用意されています。ディーラーオプションでジャッキ類があるのですが、かなり割高なので単品で購入しました。ジャッキを収納場所に固定するには、専用のネジが必要です。

・車止
 適当な(年代物の)車止を2個。

・ブースターケーブル
 これもお約束。

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  ふたつめの工具袋はY61サファリのもの


 そういえばもうひとつのお約束のプラグレンチがないですね。長寿命タイプのプラグであることと、DOHCヘッドでプラグはかなり深いところにあるので、脱着にはちゃんとしたプラグ用ソケットとエクステンションが必要なので、車載はしていません。


■ パンタジャッキを用意

 トランクの右側にフタを外せる部分があり、この中がパンタジャッキ収納スペースになっています。内部の台座にジャッキを置き、上側を専用の手回しネジで固定することで、ジャッキをしっかりと固定することができます。ジャッキはKTCの600kgパンタグラフジャッキがちょうど収まります。ネジは純正部品(B001-56-170C)を取り寄せることができます。
 一般的な車載ネジ式ジャッキは、フック軸にL字ホイールナットレンチを組み合わせてハンドルとするものが多いですが、単品で購入したジャッキは鉄の棒を曲げたハンドルが含まれています。これは工具袋には収まらないので、トランクの一番下に置いておきます。

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  ハンドルを赤く塗ったのは、道端などでの視認性向上のため


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  トランクの側面部分にきっちりと収納


■ とりあえずドライブレコーダーを取り付け

 何かとアレなご時世なので、とりあえずドライブレコーダーを取り付けます。
 NDは車高が低く、さらにウィンドウの縦幅が比較的小さく、また自分がシートを起こしめにした姿勢が好きなので、今までの車より上方視界がちょっと悪くなります。なので少しでも視界をかせぐべく、小型のものをミラーの影になるあたりに取り付けます。
 新しい車用にTranscendの物を新規に購入したのですが、これが思いのほか大きく、結局Y61に使っていたちょっと古いユピテルのものを移植することにしました。

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  ほぼミラーの影になるので、視界にはほとんど影響しません


 最初はシガーソケットの電源アダプタを使って仮設配線で使っていたのですが、ちょっとあれなので、電源直結タイプのアダプタを調達し、内装を外して配線を収めました。
 内装の取り外しは当然整備書で調べられますが、この辺のサイトにも詳しい解説があります。

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  仮配線


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  内装を外してちゃんと配線


 ついでに車載のものより容量大きめのUSB電源アダプタも接続しようと思ったのですが、ちょっと問題が起こりました。USB電源アダプタを接続すると、ワンセグTVが受信できなくなるという問題です。今回、電源は車内のヒューズボックスの未使用部分からヒューズタイプの引出線を使って取り出したのですが、アダプタ類を設置した直ぐそばにTVチューナーがあり、どうも電源アダプタのレギュレーターのノイズが影響するようです。TVアンテナはウィンドウスクリーン上のプリントアンテナで、アンテナのすぐそばにプリアンプがあるようで、この信号系まわりか、あるいは電源経由でノイズが回り込むのでしょう。

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  短いオレンジ色がプリントアンテナ


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  ダッシュパネル内のワンセグチューナー


 TVを見ることはまずないのですが、恒久的に見えないというのもなんなので、とりあえずUSB電源アダプタの接続は見送りました。ドラレコ用のアダプタも多少の影響はあるようですが、見えなくなるほどではないのでよしとします。必要な時はシガーソケットに差し込むタイプのものを使います。

posted by masa at 14:56| 自動車