2018年08月22日

ウインチを整備する その2

 うちのウインチの整備について話をする前に、M8000ウインチの構成や構造を紹介しておきます(各部の写真は、整備前、整備後のものが混じっています)。


■ ウインチの構成

 M8000ウインチは遊星歯車減速式で、車の前方(ワイヤー引き出し側)から見て、中央にワイヤードラム、向かって左にモーター、右にギヤボックスがあります。モーターのそばには、On/Off、逆転のためのリレーボックスがあります。ギヤボックスにはドラムをフリーで回転させるためのクラッチレバーがあります。

車体に取り付けられたウインチ(バンパー取り外し済)
1010-winch.JPG

1020-winch.JPG


 モーターからの出力は、ドラム内のブレーキユニットを経由して、六角軸で右側のギヤボックスの一番奥まで達しています。そしてギヤボックス内の3段の遊星歯車で減速され、ドラムを回転させます。
 ブレーキユニットは、モーターが止まっている時にドラムが回らないようにするためのもので、モーターが回転していないとき、モーター軸とドラムの間を拘束します。モーター軸とドラムは異なる速度で回転しますが、これが拘束されることで、ドラムは回転できなくなります。モーターが回転すると拘束が解除され、モーターの回転が減速され、ドラムが回転します。

ウインチの駆動系統
2002-gear.JPG


■ モーター

 このウインチのモーターは直流直巻という構成で、界磁を構成する巻線と、回転子の巻線が直列に接続されています。界磁は4極が直列になっています。回転子のブラシは4個あり、回転子の巻線は2セットが並列接続になります。

モーター銘板 SERIES WOUNDは直巻という意味
1025-motor.JPG


モーターの内部 界磁コイルは4極、銅線というよりは銅板
1030-motor.JPG


モーターの内部 ブラシは4個、2系統の並列接続
1040-motor.JPG


モーターの内部 回転子を組み込んだ状態、右側のブラシホルダーにサーモスタット用のクリップがある
1045-motor-.JPG


モーターの内部 回転子を組み込んだ状態、出力軸側
1047-motor-.JPG


回転子のブラシ側
1050-motor.JPG


回転子の出力軸側
1060-motor.JPG


 自動車で使われる直流モーターのほとんどは界磁が永久磁石のもので、直流直巻はスターターモーターくらいしか使われていません。
 軸受は、非出力軸側(ブラシ側)はプレーンメタルベアリングです。軸受ハウジングの奥に不織布のパッドがあり、ここにオイルを染み込ませておくタイプです。現行モデルのモーターは、このベアリングはボールベアリングに変更されているようです。

出力側ベアリング
1070-motor.JPG


ブラシ側ベアリングとサーモスタット
1080-motor.JPG


 出力軸側はラバーシールタイプのボールベアリングが、ドラム軸受に組み込まれています。つまりモーターはドラム軸受に取り付けられた状態でないと、軸が支えられません。ウインチ本体から取り外した状態では、モーターを回転させることはできません。もっとも直流直巻モーターなので、無負荷で回転させると飽和するまで回転が上がってしまうので、原則として無負荷運転は禁止ですが。
 補修部品やアップグレードパーツでモーターを購入する場合は、仮軸受が付いた状態で出荷されるようです。こうしておかないと、回転子と界磁があたって傷がついてしまいます。
 モーターのブラシ側には、過熱検出用のサーモスタットが組み込まれます。ブラシホルダーの1つにサーモスタットを取り付けるクリップ金具があり、サーモスタットに熱伝導グリスを塗ってはめ込み、ブラシホルダーと接触させます。サーモスタットの配線はキャップを貫通しているので、キャップを外す時にはサーモスタットも外します。
 直巻モーターの特徴は、低速回転時のトルクが大きいこと(停止時に最大になる)で、ウインチのような用途には向いています。しかしこのトルクが大きい点が曲者で、そのトルクを発生させるために大電流が流れるのです。もう1つの特徴は、無負荷時に回転が異常に上昇することです。
 この時代のM8000では、ギヤボックスにはガスケットが使われていますが、モーターはガスケットを使っていません(現行のモデルがどうなっているかは知りません)。実はモーターまわりは水密には作られていません。ドラム軸受部品とモーターケースの合わせ目には、2箇所の開口部があります。写真でダイカストの地肌が出ている部分がモーターケースとの接触部分ですが、切れている2個所は段差になっていて、組合せたときに隙間ができるようになっています。
 これはウインチを水平面にマウントした時に最下部になる位置と、8274のように垂直面にマウントした時に最下部になる位置です。つまり、内部に水がはいっても抜ける構造になっているのです。一方は最下部になるので水抜き穴になりますが、もう1つの穴は側面に位置するため、雨などで水が浸入する経路となります。またドラム軸受のモーター取り付けボルトの穴は4箇所あり、2箇所しか使わないので、これも開口部となります。これはウインチドラムのツバの裏側になりますが、水がビシャビシャかかれば、多少は浸入するでしょう。新しいウインチはツバの裏側にグリースシールがあって軸受回りが水密になっているようですが、このM8000にはそのようなものはないので、水が浸入する可能性は高いです。

ドラム軸受側の水抜き穴
1090-motor.JPG

1100-motor.JPG


 ブラシ側もガスケットはありませんが、接合面に段差があり、出力軸側よりは水が入りにくい構造になっています。


■ リレーボックス

 マグネットモーターは、モーターの2つの端子に掛ける電圧の向きを逆にすることで、回転方向を逆にすることができますが、直巻モーターの場合は少し複雑になります。界磁と電機子が直列なので、単純に極性を逆にしても、界磁、電機子とも磁化の向きが変わるため、回転方向が変わらないのです。そのためどちらか一方だけ、極性を変えます。
 WARNのウインチのモーターは図のような接続になっており、界磁コイルの極性を変えることができます(回転子側は、前に触れたように2回路になっています)。

モーター内部の接続 1102
1102-motor.jpg


 モーターのF-1F-2というターミナルは、界磁コイル(フィールドコイル)につながっています。もう1つのターミナルAはブラシを介して回転子(アマチュアコイル)につながるもので、内部でブラシに接続されています。回転子のもう一方の配線はブラシを介してモーターケースにつながっており、グラウンドに接続しています。
 バッテリーのプラス側からの配線は、F-1F-2に繋がり、界磁を磁化して他方から流出し、Aに至ります。そして回転子を励磁してグラウンドに流れます。
 F-1F-2のどちらかをプラス電源に、そして他方をAにつなぐことでモーターが回転します。リレーボックスの役割は、F-1F-2の間に流す電流の開閉と向きを変えることです。

リレーボックス内の配線
1120-Relay.JPG


 リレーボックスの中には4個のソレノイドリレーがあり、それぞれが100アンペア以上の電流を開閉できる接点を内蔵しています。ソレノイドは直流12Vで動作し、12Vを掛けるとソレノイドにより接点が動作し、電流が流れるようになります。大電流開閉のため、接点やスプリングも相応のものを使っているようで(非分解構造なので、中は見えない)、ソレノイドリレー自体の動作電流も大きく、12Vをかけた時、3.5Aの電流が流れます。リレーは2個セットで動作するので、リレーの駆動だけで7Aの電流が必要になります。

基本的なOn/Off、逆転回路
1104-relay.jpg


 ソレノイドリレーを図のように結線することで、センターオフのスイッチをどちらに倒すかに応じて、界磁に流れる電流の向きが変わり、モーターの正転と逆転ができます。もちろん、センター位置の場合は電流が流れず、Offになります。
 ウインチ故障でよくあるのが、このソレノイドリレーの動作不良です。リレーが正常に動作しないと、正転はするのに逆転はしないといった症状が現れます。
 Y61の純正ウインチはさらに付加回路が組み込まれています。コントローラーをコネクタに差し込むことで、エンジンルーム内にあるマスターソレノイドリレーが動作し、このリレーボックスにバッテリーからの電力が供給されます。そしてモーターには、過熱保護機能が組み込まれています。モーター内部にサーモスタットが組み込まれており、モーターが過熱するとサーモスタットが動作し、回路が切れます。

実際の回路(整備書より)
1106-fig.jpg


 ウインチの操作は有線の手元コントローラーで行いますが、これはコネクタでリレーボックスに接続します。ウインチはAcc電源がOnになっているときに使用できます。コントローラを接続することで、Acc電源でマスターソレノイドがOnになり、電源が供給されます。

コントローラとコネクタ
1110-Relay.JPG


 サーモスタットはモーターのブラシ部に取り付けられており、温度が上がると回路がOffになります。これはソレノイドリレーを駆動するスイッチ回路に組み込まれており、サーモスタットの動作でソレノイドがオフになるため、モーターが止まります。サーモスタットが動作した時は、サーモスタット両端に12Vがかかるため、並列に接続されたLEDが点灯します。つまりスイッチをOnにしてLEDが光る時は、サーモスタットによる保護でモーターが回転しないということです。サーモスタットは、温度が下がると自動復帰します。
 興味深いのは、この過熱保護動作は巻取り時のみ有効ということです。回路を見るとわかりますが、繰り出しのためのソレノイドリレー回路はサーモスタットを通らないので、過熱していても繰り出しはできることになります。

 次回は遊星歯車による減速機構、フリースプールクラッチ、ブレーキについて説明します。


posted by masa at 18:47| 自動車整備

2018年08月13日

ウインチを整備する その1


 我が家のY61サファリにはメーカーオプションの電動ウインチが装備されているのですが、これがちょっと調子が悪くなったため、分解整備します。


■ メーカーオプションのウインチ

 今どきの事情は知りませんが、かつてはウインチはクロカン4WDの重要なアクセサリーであり、メーカーでオプション設定されていたり、あるいはサードパーティ品を後付したりということがしばしば行われていました。我が家のサファリは、購入時にメーカーオプションのウインチを装着しました。メーカーオプションのメリットは、ウインチ込みでの設計となるため、後付感なくスッキリと装着されることです。同時にこれは欠点でもあり、ウインチがバンパー内に収まってしまうため、ワイヤーの管理やメンテ性が低下します。以前のモデルであるY60では、ウインチを取り付けるとバンパーより飛び出して露出していました。悪路でつっかえるとか、デザイン的に文句がある人は多かったみたいですが、メンテ性はとてもよいものでした。

Y61のメーカーオプションのウインチ
0001-opWinch.jpg


Y60のメーカーオプションのウインチ
0000-opWinch.jpg


 Y60のウインチには、エンジン動力で動作するPTOタイプと電動タイプがありました。電動ウインチは、Y61と同じでWARNのM8000が搭載されていました。自分が乗っていたY60は、PTOタイプのウインチを搭載していました。Y61は電動のみです。


■ ウインチの現状

 今の車になってからほとんど悪路を走らなくなったため、ウインチを装着してはいるものの、ほとんど使ったことはありませんでした。たまに動作確認をするくらいです。
 久しぶりに動作確認をしたところ、モーターは正常に回転し、巻取りと繰り出しはできるのですが、クラッチの動作に問題がありました。ワイヤーを巻き取るドラムにはクラッチが付いており、クラッチがつながっているとモーターでドラムが回転し、止まっている時はドラムにブレーキが掛かります。クラッチを切るとドラムはフリーで回転し、ワイヤーを人力で引っ張り出すことができます。またフリーの時にモーターを回転させても、ドラムは回りません。
 動作確認をしたところ、クラッチを切った状態でドラムがフリー回転しなくなっていました。それ以外のモーター駆動は正常でした。ウインチのクラッチを切ると、ギヤボックス内の遊星歯車の内歯車がフリー回転するようになり、これにより動力伝達が切れるのです。グリースの劣化で、この回転が死ぬほど重くなってしまったのでないかと考えました。稼働時間が短い(15年で10分くらい?)とはいっても、年数も経っているので、それなりに状態は悪くなっています。クラッチの不具合以外にも、ひどい塗装剥がれがあり、腐食も進んでいます。そこで、ウインチを分解し、整備することにしました。
 作業はショック交換と並行して行い、ショック交換の際にウインチを降ろしました。その後、バンパーまわりはウインチなしで組み立て、ウインチ整備が完了したら、再度バンパーをばらして組み込みます。

腐食したウインチ
0030-winch.JPG


■ ウインチの仕様

 このウインチは日産の純正オプションですが、当時のトヨタがアイシン製を使っていたのに対して、日産はアメリカのWARN製を搭載していました。ネームバリュー的にはアイシンよりもWARNのほうが受けが良かったのは確かです。ただ、この時代(今は知らない)のWARNのウインチには、ひとつ大きな問題があります。ネジがインチなのです。この辺は、それが日本メーカーのオプションであっても変わりません。そのためウインチベッドなどはミリのボルトなのに、ウインチ本体のボルトや配線のターミナルのナットなどはインチなのです。これに気をつけないと、ボルトをなめたり、工具が抜けなくなったりする可能性があります。
 搭載されているウインチは、WARNのM8000 D1というモデルです。これは現行のM8000とは一部(特にモーター)が違います。8000は能力を示すもので、牽引力が8000ポンド(3600kg)という意味です。
 もっとも3600kg引きといってもいろいろ条件があります。ワイヤーはドラムに巻かれますが、ワイヤー巻取り量が増え、実巻取り径が大きくなると牽引力が低下します。この3600kgという力が出せるのはドラムの1層めの場合で、最外層だと3000kg以下になってしまいます。

巻取り能力の変化
0040-fig.jpg

1層め 3630kg
2層め 3302kg
3層め 3206kg
4層め 2826kg



 動力源は4.8馬力程度のモーターなのですが、直流12Vでこの馬力というと、最大で450A程度の電流を必要とします。これは普通の車のオルタネーターで供給できるものではないので(せいぜい100Aがいいところ)、実質的にバッテリーの放電で動かすことになります。

負荷 速度 電流
0kg19m/S 80A
910kg 4.9m/S 200A
1810kg 3.6m/S 285A
2720kg 3.0m/S 350A
3630kg 2.4m/S 450A



 一般にバッテリーにとって最大の負荷であるスターターモーターが約100Aですが、ウインチはこの3倍以上(エンジンが止まっていたら4倍以上)の電流が必要ということです。かなり大型のバッテリーを搭載していても、最大電流だと数分しか供給できないでしょう。WARNのサイトによれば、650CCA以上(日本のJIS表記だとおそらく100以上)のバッテリーが必要となっています。CCAはCold Cranking Ampereの略で、冷間時の放電能力を示し、この値が大きいほど放電能力が高いことになります。現在使用しているのは145D31で、CCA実測値は750程度なので、一応条件は満たしています。

 次回は、ウインチの構造を解説します。
posted by masa at 15:58| 自動車整備

2018年08月05日

Y61サファリのショックアブソーバーを交換する

 Y61サファリ中期型を購入して約15年、11万キロほど走行しました。この間、一度もショックアブソーバー(以下ショック)を交換していないので、交換することにしました。ひどく抜けているという程ではないのですが、ロッドのプロテクター部分が錆びて欠落し始めたなど、まぁ、交換してもよかろうということで。


■ 新しいショック

 とにかく安いという理由で、Procomp ES3000を選びました。ちょっと上乗せすると、よりハイパフォーマンスなES9000も買えるのですが、特にこだわりはないので、一番安いやつです。ブッシュ類込みで4本で25000円、それからナットやワッシャー類を日産純正部品で新品を購入したのが3000円ほどです。
 ちなみにES9000は低圧ガスショック、ES3000は一応なんかガスは入ってるみたいですが、ほぼ大気圧、つまりただのオイルショックのようです。

Procomp ES3000
010-ES3000.JPG


 低圧ガスショックはガス圧によって勝手に伸びてしまいますが、オイルショックはそれほどの圧が掛かっていないので、どのポジションにしても、その位置を維持します。
 Procompの製品(代理店?)サイトによると、ES3000は低圧ガスショック(飛び出さない)、ES9000は高圧ガスショック(飛び出す)ということになっています。自分の認識では、高圧ガスショックはビルシュタインのような単筒式、複筒式は飛び出すものが低圧ガスショック、飛び出さないもの(さらに圧力が低い)はただのオイル式という認識なので、ES3000はただのオイルショックです。
 ショックは、飛び石や泥などからピストンロッドを保護するために、ロッド部を覆うようにプロテクターが備えられています。メーカー装着のショックは、鉄のパイプを使っていますが、サードパーティ品はラバーブーツも使われています。ES3000はラバーブーツタイプです(購入時に色を選べます)。固定はシリンダ側はインシュロックで、ロッド先端側は、先端に取り付けられたフランジにはめるという形です。フランジへの取り付けはちょっと甘い感じだったので、こちらもインシュロックで固定しました。
 ブーツの上下には水/空気抜き穴があり、これを塞がないような位置にブーツを固定します。このブーツ、ハイリフト用のロングストロークのものと共通なようで、標準ないし2インチアップ程度のものにはちょっと長すぎます。目一杯縮むと、押しつぶされる形で固定が甘い上側が外れるかもしれません。
 注意点として、ナットのサイズがあります。このショック、どうもインチネジのようで、ステム用のナットが約14mmなのですが、実際にはそれより何分の1mmが大きく、ツールによっては14mmだとうまくはまらないとか、きつい場合があります。


■ フロントショックの取り外し

 まずはフロントから。フロントのショックはホイールの裏側、ナックル部の付け根に取り付けられているので、ジャッキアップし、ホイールを外して作業します。今回、ウインチ整備も平行して行っているので、バンパーも外してあります。

ジャッキアップしてウマをかける
020-jackup.JPG


 15年も触っていない足回りのボルトなんか、触るものではありません。とにかく緩みません。
 フロントショックは上下ともステム(ボルト)タイプで、フレームのマウント部には、ゴムブッシュを介して取り付けてあるので、そのまま回してもショックごと回ってしまいます。そのため、回り止めをしないといけません。フロントはロッド最上部の一部が平行面になるように加工されていて、ここにスパナを掛けることができます。
 サファリのフロントショックの上側は、非常に狭いところにナットがあり、ソケットレンチははいりません。オフセットのあるメガネもだめ。使えたのは、わずかに角度のついたコンビのメガネ側と、首振りタイプのラチェットメガネだけでした。
 スパナで押さえながら上側のナットをはずすのですが、、これが固い。結局、ラスペネを数回かけ、ハンマーで軽く衝撃を与えるなどして、最終的には満身の力を込めてどうにかゆるみました。ゆるめはコンビで行い、その後のナット外しはラチェットメガネを使いました。

フロントの上側のナットを、回り止めして外す
030-FrontUp.JPG


 下側のナットは広いところにあるので、インパクトで楽勝と思っていたのですが、これまたゆるみません。インパクトは20kg・m程度のトルクは出るはずなんですけどね。下側はまた悪いことに、回り止めスパナが掛けられる構造になっていません。インパクトなら回り止めはいらないのですが、これがだめなので、どうにかしないといけません。結局、パイプなどの回り止めに使うチェーンレンチを使って押さえました。もともとオイルフィルター用に購入したものなので、そんなに大トルクに耐えられるようなものではないのですが、どうにか耐えてくれました。
 もっともインパクトでもだめだった固く締まっているナットが、チェーンレンチを手で押さえた程度緩むわけもなく、結局、チェーンレンチには魔法の杖(という名前の鉄パイプ)を突っ込み、ナット側は500mmのラチェットハンドル(昔トルクレンチだったもの)を使い、どうにか緩めました。タイロッドが干渉するのでエクステンションを使ったのですが、そのせいで変な向きの力がかかり、ショックのボルトがひん曲がっていました。

チェーンレンチ
035-ChainWrench.JPG

チェーンレンチと500mmラチェット
040-Chain.JPG

魔法の杖 登場
050-Magic1.JPG


魔法の杖とそれに敗北した文明の利器
060-Magic2.JPG


取り外したフロントショック
070-OldFront.JPG


■ フロントショックの取り付け

 今回購入したES3000、ステムのネジ部の長さに対してブッシュの厚みが結構あり(というかネジ部が短く)、車体にセットした状態では、ボルトのネジ部がブッシュの上に出てきません。つまり、ギュッと押さえないとナットがかからないのです。ちょっとがんばってやってみたのですが、非力な自分の握力でゴムが縮むわけもく、またうまくクランプなどをかける隙間もなく、結局ブッシュをナイフで切り、ちょっと薄くしました。

フロントブッシュ
080-FrontBush.JPG


新しいフロントショック
090-NewFront.JPG


■ リアショックの取り外し

 リアショックはホイールよりかなり内側に取り付けられており、上部マウントも下側からアクセスするので、ホイールを外す必要はありません。ただ、作業空間を確保するために、ジャッキアップし、フレームをちょっと持ち上げています。
 リアショックは、上下とも取付部はアイになっており、フレーム、アクスル側の取り付け軸に差し込む構造になっています。なので、その軸の先端のネジ部のナットを外せば、取り外すことができます。アクスルに取り付ける下側のナットはあっさりと緩んだのですが、上側がアクスル上部の奥のほうにあり、うまく工具がはいりません。フレーム側の取り付けボルトのちょっと先にはサスペンションスプリングの上側のマウント部があり、ソケットレンチははいりません。また右側はブレーキのLSPV(積載量によって後輪ブレーキの油圧を調整するバルブ)、左側は排気管がそばにあり、かなり狭いのです。

リアの下側
100-RearLower.JPG


右リア上側
110-LeftUpper.JPG


左リア上側
120-RightUpper.JPG


 使えるのは、フロントの上側に使ったコンビかラチェットメガネだけです。しかも固く締まっています。一応、作業の1週間前にラスペネも吹いておいたのですが、だめなものはだめです。フロントで懲りたので、リアの作業を始める前に、ラスペネとは違う新しいケミカルを使ってみました。これは冷却して潤滑剤を浸透させるというものです。ボルト部を急冷することで収縮させ、錆びや固着部にクラックを発生させ、そこに潤滑剤を浸透させるというものです。

冷却潤滑剤
130-CoolCRC.JPG


取り外したリアショック
140-OldRead.JPG


 これを試してみたら、それなりに硬かったものの、案外簡単に緩みました。というわけで、リアに関しては、狭くて時間がかかるという点以外は、取り外しはほとんど苦労しませんでした。


■ リアの取り付け

 取り外しが楽だったのですが、取り付けに意外と苦労しました。
 まず上側から取り付けます。ツールの動く範囲が狭いので、下側をフリーにしておき、なるべく広くしておきたいからです。まずブッシュのはまったアイを軸に差し込むのですが、これがはまりません。ラバーだかウレタンなので軸径より内径がちょっと小さいのですが、とにかく場所が狭く、力がはいらないのです。結局、アイのちょっと下のロッド部にストラップをまわし、車の後ろ側から引っ張るという形で差し込みました。
 さて本締めしようというところで問題が発生。上側はアイのブッシュを両側から挟むようにワッシャーが付くのですが、これがブーツ取り付け用フランジにすごく近く、アクスルの動きによっては接触しそうです。また隙間が狭くてブーツの上側がはまりません。
 仕方がないので、干渉する部分のワッシャーを削ることにしました。せっかく取り付けたショックをまた外し、ワッシャーをグラインダーで削ります。そして干渉しないようにうまく向きを合わせながら、再度ショックを取り付けます。

ワッシャーの加工
150-Washer.JPG


 ところで、ナットを締めるとき(ゆるめるときも)かなり硬いなと思っていたのですが(手で回らないくらい)、よく見たらネジの一部をカシメて変形させているロックナットでした。そういえばこのナット、再使用不可部品でした(だから新品を注文したのでした)。まぁ、何度か付け外しをしているので、再使用しているのですが。。
 下側にも問題がありました。アイのブッシュの厚みに対して軸部が長くて隙間ができ、ナットを締めてもブッシュがスライドしてしまうのです。フロントは厚すぎたのにリアは短いのかよ。。。上側の干渉といい、下側の隙間といい、全体的に純正のショックよりもマウント部が小ぶりなようです。

リア下側の取り付け軸
160-RearLowMount.JPG


隙間がある
170-Play.JPG


 この隙間をなくすために、30mmのアルミ丸棒から厚さ5mmのスペーサーを削り出し、ブッシュとアクスルの間に挟み、ちゃんとナットで圧力をかけて押さえられるようにしました。写真ではスペーサーが黒く塗られているのでわかりにくいですが、ショックのアイとマウントの間にはまっています。

アルミでスペーサーを作る
180-Washer1.JPG


厚さ5mmのスペーサー
190-Washer2.JPG


スペーサーを介して取り付け
200-NoPlay.JPG


取り付け完了
210-Read1.JPG

220-Rear.JPG


■ まとめ

 ショック交換は、最初の車のJeepでも、前に乗っていたY-60でもやっているのですが、どれも半日もかかりませんでした。特にY-60は今のY-61とまったく同じ構造だったのですが、新車から数年でやったので、固着がなく、比較的簡単に済みました。やっぱり錆びるとだめですねぇ。。。
 あとひとつ気になる点が。
 リアの左ショックは排気管のすぐ横なのですが、これのゴムブーツがかなり排気管に近いのです。走っている間は大丈夫でしょうが、渋滞などで止まっている間、あぶられることになります。溶けるんじゃなかろうかと。。。しかし、猛暑日の炎天下、高速の通行止めで1時間半アイドリングを続けましたが、とりあえず大丈夫でした。

ブーツと排気管
230-Boot.JPG


 さて、ショックを交換した後の乗り心地の変化ですが。。。
 鈍感な自分には変化は感じられませんでした。ステージによっては差があるのかもしれませんが。。
 前のショックも抜けていた訳ではなく、ノーマルに近い味付けのものに変えたので、差があまりないのでしょう。まぁ、以前の乗り心地に不満があったわけでもないので、これでよしとします。

posted by masa at 10:55| 自動車整備

2018年06月09日

ジャッキの作動油漏れを直す


 以前、車のタイヤ交換などに使っていたSLマンモス3t(大橋産業)というフロアジャッキを最近買い替えました。これはホームセンターで普通に売っているジャッキの中で最大級のものです。
 買い替えた理由の1つは作動油が漏ることでした。漏るといっても、ジャッキが下がってくるといった症状ではなく、リリース弁を回してジャッキを下げる時に、リリース弁のところから漏るのです。
 新しいジャッキ(長崎ジャッキNSG-3)があるので、SLマンモスはほぼ引退なのですが、補助ジャッキとして使えるようにしておこうと、修理することにしました。

大橋産業 SLマンモス3t
01-jack.JPG


 降ろすためにリリース弁を回すと、その軸の付け根から漏るのですから、原因はこの部分のパッキン材の劣化でしょう。まずはこのリリース弁のネジ軸を外します。このジャッキはジャッキレバーをねじるとリリース弁が開閉される構造で、レバーとリリース弁の軸はレバー支点位置で歯車で噛み合う形になっています。
 外れ止めのボルトを外せば、くるくる回すだけで逆ネジのリリース弁軸を取り外すことができます。この時、ジャッキのラム部にあるオイル注入口に隙間をあけて、空気圧差をなくしておきます。これをやらないと、油が吹き出すことがあります。

リリース弁部分
02-rel0.JPG

リリース弁軸を外したところ
03-rel1.JPG

取り外したリリース弁軸
04-rel2.JPG


 リリース弁軸にはOリングが組み込まれており、これで密閉しているはずなのですが、よく見ると外側がだいぶ平らになっています。たぶんこれがすり減って、漏るようになったのでしょう。
 手持ちのOリングセットの中から合うサイズのものを選び、交換します。並べてみると、新しいものが気持ち太いのがわかります。

Oリングセット
05-Oling1.JPG

新旧のOリング
06-Oling2.JPG


 リリース弁軸に組み込むと、ゴム部の張り出しが以前より明らかに大きくなっています。

新しいOリングを付けたリリース弁軸
07-rel4.JPG


 リリース弁軸を組み込み、動作させてみましたが、とりあえず油漏れはなくなりました。これまでの油漏れで作動油がかなり減っているので、フィラープラグを外して油を足しておきます。今回はタービン油を使いました。何度かフルストロークさせてエア抜きして、作業終了です。ついでに、何年ぶりかで各部に注油しておきました。
 実際に車を上げてみましたが、軸重1tちょいを2輪同時に問題なく上げられます。ただこのジャッキ、3tとなっていますが、がんばって2tがいいところという感じです。

デフ玉に掛けて2輪同時ジャッキアップ
09-.JPG

posted by masa at 14:03| 自動車整備

2018年05月31日

中華ウインチを買ってみた


■中華ウインチを入手

 ウインチはさまざまな目的で使われていますが、その中に車載用というものがあります。車載用ウインチには、動力源がPTO(ギヤボックス経由のエンジン出力)、油圧、電動のものがあります。その中で、レジャーや簡易使用の分野で広く使われているのが電動ウインチです。クロカン系4WDや作業用車両、ボートトレーラーなどに使われます。
 もともと車載の電動ウインチはアメリカ製が主流で、国産ではアイシン製などがメーカーオプションに使われていましたが、最近は通販サイトを中心に、中国製のものが広く販売されています。値段は米国メーカー製の数分の1から1/10程度です。
 どんなもんだろうと思って、小型のものを1つ新品で買ってみました。能力は1300kg(3000ポンド)、ワイヤーは4.8mm、長さは12mです。フック、ベースプレートとローラーフェアリード、スイッチが2個ついたコントローラがセットになっています。これを7500円ほどで入手しました。


  パッケージの内容

01-package.JPG

  ウインチ本体

02-winch.JPG

  フックとローラーフェアリード

03-fairlead.JPG

  コントローラー

04-controller.JPG


■消費電力

 この種のウインチは車両用なので、DC12Vで動作します(数は少ないですが、ディーゼル車用の24Vモデルもあります)。
 車載電動ウインチの大きな問題の1つは、この電源電圧の低さです。ウインチは牽引力相応のモーター出力が必要で、だいたい1馬力ないし数馬力、つまり0.75kWないし数キロワットの出力のモーターが必要です。例えば1kWのモーターを12Vで駆動する場合、効率が100%でも83Aの電流になります。なので実際には100A超の電流が流れることになり、これはおおよそスターターモーターと同程度です。スターターは数秒程度しか使いませんが、ウインチは数分程度の連続使用になります。
 今回購入したものは自称モーター出力1kWで、最大牽引時に130Aとなっています。
 より大型の3000kg以上のウインチだと3馬力程度のモーターなので、最大電流は400Aを超えます。車載のオルタネーターの余力は、普通車だとせいぜい100A程度なので、これを超える分はバッテリーからの持ち出しになります。なので、ウインチをまともに使おうと思ったら、大容量バッテリーは必須です。それでも大負荷だと数分で使用限界に達してしまい、再充電の時間が必要になります。つまり作業用などの連続使用は無理ということです。


■ぱっと見た感じ

 このクラスの製品は何種類かあり、牽引能力によってモーター出力が違うようです。しかしドラム回りの構造部材などが大きく違うようには見えません。ウインチの構成は、モーターと一体になったギヤボックスにドラムを取り付け、そのギヤボックスにL字の鉄板をネジ止めし、ドラムの反対側がその板に取り付けられた軸受で支えられます。またギヤボックスと軸受のそばに2本のステーを渡して、ドラム軸受の強度を確保しています。

  ドラムと軸受

05-drum.JPG


 しかしこの鉄板はさほど厚くなく、取り付けネジも細いし、軸受も貧弱です。これらの部材が1tを超える荷重に耐えられるようには見えません。まぁワイヤーも細いし、電線もちょっとなぁという感じです。というわけで、実用牽引力はせいぜい300kgから500kgかなと思っています。


■モーター

 前に触れたようにDC12V、出力1kWです。この出力の割には、直巻ではなくマグネットモーターです。永久磁石界磁なので、接続する電線は回転子用の2本だけで、これの極性を切り替えれば反転します。
 とりあえず仮組して運転したところ、無負荷で6A程度でした。説明書では無負荷で12Aなっていたので、それよりは少ないです。ちなみに直巻だと、無負荷でも本当に10A以上流れます。
 ブラシ側ははめ込みが硬かったので外していません。


  モーター全体

06-motor1.JPG

  モーターの内部

07-motor2.JPG


■コントローラー

 より大出力なウインチは、数百アンペアの電流を開閉するために、リレーボックスを使っていますが、このクラスはスイッチで直接開閉します。コントローラーからは、バッテリーに接続する2本、ウインチに接続する2本で、4本の電線が出ています。
 どちらの電線も赤と黒のペアですが、長さが違うので区別できます。どっちがバッテリーでどっちがウインチという区別はありません。しかしペアでないほうの線をバッテリーにつないでしまうと、スイッチ操作でショートしてしまいます。色を変えておくとか、ラベルつけとくとかすればいいんですけどね。電線の末端は丸型圧着端子で、モーターの端子、バッテリーの適当なターミナルにネジ止めします。
 電線の長さが短いので、手元で操作する感じになります。車載で使うには、配線を延長することになるでしょう。

  08-switch.JPG


 使用されているスイッチは防水タイプ(たぶん)のプッシュ式で、内部に常開、常閉の2組の接点があり、2個のスイッチを適当に配線することで、モーター停止、正転、逆転ができます。
 使用されているスイッチは防水タイプ(たぶん)のプッシュ式で、2つのスイッチが1つのパッケージにまとめられたものです。それぞれのスイッチは双極単投タイプ、つまり押した時にオンになる接点を2組持っています。回路は以下のようになっています。

08-sw.jpg


 単純にこのような回路を組んだ場合、両方のスイッチを押すとバッテリーがショートしてしまいます。テスターで導通を調べたところ、このスイッチは、両方のスイッチを同時に押した場合は、どの接点もつながらないインターロック機構を内蔵しているようです。インターロックといっても、同時にボタンが押せないというものではなく、ボタンは押せるものの接点は接触しないという形です。
 これにより、スイッチを1つだけを押せば巻取りか繰り出しが行われ、両方を押すと動作しません。

■ドラム

 ドラムに、5mm弱のワイヤーを12m巻き取ります。ドラム径が小さく、ワイヤーは弾性があるので、無負荷時にビローンと広がってしまいます。これを防ぐために、ドラムにワイヤーを押さえつける鉄板のプレートが装備されており、ケーブルの繰り出しや巻き込みに抵抗を与え、ケーブルが暴れないようにしています。乱巻き防止にもちょっとは役立つかもしれません。


  ワイヤー押さえ

09-plate.JPG


 モーターの反対側のドラム端にはノブがついており、これを引っ張ってちょっとひねると、ドラム駆動軸がギヤから切り離され、ドラムが自由に回転するようになります。ギヤとの噛合によっては外れにくいこともあり、その場合はドラムをちょっと回すようにしてやると外れます。
 この状態ではケーブルを自由に引き出せるはずなのですが、実際にはワイヤーの弾性とかワイヤー押さえの鉄板との絡みなどで、簡単にはいきません。勢いよく引っ張り出そうとすると収拾がつかなくなります。ワイヤーが中でたるまないように、ゆっくり引き出す必要があります。
 ロックする際は、ノブ軸に刺されたピンがドラム側の溝にはまる位置までノブを回します。するとノブ軸が引っ込み、ドラム軸がギヤに噛み合います。


  結合状態

10-clutch1.JPG


  フリー状態

11-clutch2.JPG


■ギヤボックス

 試運転したところ、ギヤノイズが凄まじかったため、ばらして給脂しました。
 裏側のネジとステーのネジを外すと、モーターとL字の鉄板、ドラムが外れます。ノブを回して取り外し、ワイヤー押さえ鉄板を外せば、ドラムとL字鉄板も外せます。ドラム軸受にはかすかな油分しかありませんでした。これで1tの荷重に耐えるって、無理でしょ。。

  プレートを取り外した状態

12-desasm1.JPG


  ドラムを取り外した状態

13-disasm2.JPG


 ギヤボックスのネジとステーを外すと、ギヤボックス側の軸受プレートが外れて、内部のギヤが見えます。とはいっても、この時点ではお鍋の底のようなものが見えるだけ。中心にドラム軸が噛み合う穴が見えます。これを外すと、裏側に遊星ギヤ用の内歯車があります。その下にあるのは遊星歯車を3セット持つプラネタリキャリアです。これに申し訳程度のグリスがついていましたが、肝心の歯の部分にはほとんどわまっていませんでした。うるさいわけです。

  ギヤボックス内部の潤滑状態

14-disasm3.JPG


 遊星歯車は、ギヤボックスの内側にある固定内歯車に噛み合い、そして中心にはモーター軸に直接刻まれた太陽歯車があります。遊星キャリアは遊星歯車を支えるだけで、出力用の軸やギヤは備えられていません。固定内歯車の歯幅は遊星歯車の歯幅の半分で、遊星歯車の残り半分の歯幅は、ここにかぶせる出力用の内歯車に噛み合います。
 太陽歯車が回す遊星歯車が、固定内歯車と出力内歯車に噛み合っていて、遊星キャリアはどこにもつながっていないというこの歯車は、不思議遊星歯車減速機構というもので、1段で100以上の減速比が実現できるという特長があります。このウインチでは、太陽歯車が6T、遊星歯車が22T、固定内歯車が48T、出力内歯車が61Tで、減速比は153になります。


  各部品を洗浄

15-gears.JPG


  モーター軸の太陽歯車と固定内歯車

16-gears2.JPG


  遊星歯車とキャリア

17-gears3.JPG


  出力側内歯車

18-gears4.JPG


  固定内歯車と遊星歯車

19-gears5.JPG


  出力側内歯車

20-gears6.JPG


  組み合わせた状態

21-gears7.JPG


 実際に回転している様子を示します。無潤滑での動作は電源電圧5V、グリース潤滑されている状態は3V程度です。

  遊星歯車の回転




  出力側内歯車の回転




  グリスまみれでの回転




 不思議遊星歯車の固定内歯車と出力内歯車はピッチ円直径が同じなのに歯数が異なるので、実際には転位歯車という構造にしなければいけないのですが、これはそうなっていないようです。このギヤボックスがうるさいのは、そのへんにも理由があるかもです。
 不思議遊星歯車の構造については、以前投稿した動画があるので、それを見てください。


https://www.youtube.com/watch?v=ttfPo773HEU




http://www.nicovideo.jp/watch/sm12579213



■整備

 ほぼ無潤滑運転で凄まじくうるさいという状態をどうにかするために、グリースを給脂して組み立てました。静粛というほどではありませんが、まぁ許容範囲内のノイズに収まりました。


■使用形態

 このウインチは車載用として買ったのではなく(車にはちゃんとした3600kgの電動ウインチがついてる)、なんとなく買ったものです。差し当たって、ワイヤーなどにつないで使うポータブルウインチとして組み立てます。
 ウインチ本体、ローラーフェアリードを取り付けるベースプレートには4つのネジ穴があるのですが、ワイヤーとつなぐための構造にはなっていません。そこで鉄アングル材を使ってアイボルトを取り付けます。アイボルトにシャックルをはめれば、ワイヤーやスリング、フックをつなぐことができます。

  アングル材

22-plate.JPG


  アイボルト

23-ibolt.JPG


  出来上がり

24-mount.JPG

25-winch.JPG

26-wire.JPG


■電源

 無負荷なら数アンペアで動作しますが、実際に負荷をかけたら数十アンペアないし100Aくらい(ウインチが持つかどうかは別にして)になるでしょう。今回は、車用のバッテリーを使います。以前車に使っていたお下がりで、135Dというものです。まぁ乗用車に積むものとしてはほぼ最大級の容量のものです。古いものなので、実際にどれだけの容量が残っているかは謎ですが。
 バッテリーの端子に、ネジ止めタイプの端子をはめ、それにウインチコントローラへの配線の圧着端子をネジ止めします。本当は安全のために100A程度のヒュージブルリンクを入れるべきですが、それは今後考えます。


■実際の能力

 実際の牽引能力や耐久性は、まだ確かめてないのでわかりません。



posted by masa at 19:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 電気機械