2017年03月08日

三菱のインバータで遊んでみる その2

■マニュアルを入手

 インバータで遊ぶには、マニュアルが欠かせません。また中古で入手した場合などは、動作モード、パラメータ、制御端子の設定などが初期設定と異なる状態であったり、そもそも操作機能がロックされていたりするので、まずは標準的な状態に戻す必要があり、そのためにもマニュアルは欠かせません。
 三菱電機のインバータは、三菱電機のサイトからPDF形式のマニュアルをダウンロードすることができます。製品を購入すると、紙の基本マニュアルは付属していますが、パラメータ設定などの詳細は含まれていないので、「応用編」というマニュアルをダウンロードする必要があります。

man.JPG

 300ページを超える量ですが、おおよそ項目ごとに分かれているので、必要な機能を探すのは難しくありません。
 ダウンロードするには、ユーザー登録が必要です。

■パネル

 インバータ本体のパネルにはいくつかのスイッチ、ダイヤル、4桁のLEDなどがあります。これらを使って各種パラメータを設定し、基本的な運転操作を行うことができます。
 RJ-45コネクタ(イーサネットと同じコネクタ)を使って、オプションの外部コントロールパネルや設定用コンソールを接続することもできます。またUSBやその他の通信を使い、PCで設定ソフトを動かして設定することもできます。まぁ、素人が遊ぶ程度なら、これらは必要ないでしょう。

panel.JPG

 スイッチは以下のものがあります。

・PU/EXT
 運転モードの切り替えです。PUはインバータのパネルから運転制御を行うモード、EXTは制御信号を使って外部から運転制御を行うモードです。現在のモードを示すLEDがスイッチの上にあります。

・RUN
 モーターの運転開始です。

・STOP/RESET
 モーターの運転停止と、保護機能が動作した時のリセットです。

。MODE
 運転モード、パラメータ設定モード、アラーム履歴のモードが順番に切り替わります。

・SET
 パラメータ設定モードでは、パラメータの値を設定します。運転モードでは、LED表示が周波数、電流、電圧と切り替わります。


 パネルによる操作をロックしたり制限することができます。中古で入手したものなどは、この状態になっている可能性があります。スイッチ類の操作が効かない場合はパネルがロックされており、MODEボタンの長押しで解除できます。


■パラメータ設定

 モードボタンを何回か押して、LEDにP表示が出たら、パラメータ設定状態です。ここでダイヤルを回すとLEDにパラメータ番号が表示されます。目的の番号が表示されている状態でSETを押すと、そのパラメータの現在の設定値が表示されます。ここでダイヤルを回して数値を変更し、SETを押すと、そのパラメータ番号に現在の値が設定されます。


posted by masa at 11:59| 電気機械

2017年02月26日

三菱のインバータで遊んでみる その1

 フライス盤の主軸モーターを三相の汎用モーターにしたいので、まずはインバータの実験です。

 汎用モーターは三相200Vで動作しますが、これには動力契約が必要です。そのままでは回転数制御もできません。しかしインバータを使えば、三相200Vがなくても、単相100V、単相200Vから三相200Vに変換することができ、さらに周波数を変えて回転数を制御することができます。というか、インバータ本来の機能は、周波数を変えて回転数を変えることなんですけどね。ご家庭で遊ぶには、単相で動かせるというのは大きなメリットです。

 今回は、三菱電機のFREQROL E700シリーズのFR-E710W-0.4Kという単相100V入力、出力が三相200V 400Wのインバータと、200Wの日立モートルを使っています。

Inv_and_motor.JPG

 インバータは、入力された単相、三相の100V、200Vを内部でまず直流にし、それをパワーデバイスを使って制御し、三相交流を出力します。この際、タイミングの制御により出力周波数を、PWM変調により実効電圧を変えることができます。これが鉄ちゃんにはおなじみのVVVF(Variable Voltage Variable Frequency)というやつです。

 さて、中を見てみます。ところで、通電中のインバータは内部に200V以上の高圧部分があり、電源を切った直後でも残留電圧があります。真空管回路ならびっくりで済む電圧ですが、動力回路の場合はびっくりでは済まない場合が多いので、気を付けましょう。作業は自己責任でね。こっちに文句は言わないように。

inv0.JPG

 中はこうなってます。右側がパワー回路部ですが、肝心のパワーデバイスは基板の下の放熱器に取り付けられているので見えません。左側のボックスの内部には、マイコンを中心とした制御回路部があります。

inv1.JPG

inv2.JPG

 パワー回路側の下部には、AC入力と三相出力のための端子台があります。制御側には、モーターを制御するための配線用の端子台があります。

inv3.JPG

inv4.JPG

 配線した後、カバーを取り付けると、充電部はすべて覆われます。

 裏側はすべて放熱器になっています。ここにオプションのDINレール取り付けアタッチメントを付けると、ワンタッチでDINレールに取り付けることができます。

inv5.JPG

 インバータはさまざまなパラメータを設定できますが、とりあえず出荷時状態で、スイッチ操作でモーターを回すことができます。簡単な操作で周波数も変えられるので、モーターの回転数を変えてみる実験などができます。

inv7.JPG

inv6.JPG

 LED表示は、周波数、電圧、電流の表示を切り替えることができます。外部制御のための接続とか、パラメータの設定とかはまた今度。

posted by masa at 16:25| 電気機械